そんな事ないよ、だって瞬介君の今の顔、悲しい表情をしているんだよ。

「それで、つい頭にきた俺は親父を殴った。母さんの代わりにとして」

「瞬介君……」

「それから、両親は離婚。俺は母さんに引き取られて今のマンションで暮らしてるけど、母さんは他の男とどっか行った」

私は、目から一つの涙がこぼれた。

「何でお前が泣くんだよ?」

呆れた表情で見てくるけど、涙は止まらなかった。

「だって……」

なんて言っていいのか分からなかった。

「俺の顔で泣かれると困る。見てるとキモいから」

「ひ、酷い!」

「ぷっ!ひっでー顔!!」

「もぅ!……」

瞬介君は、楽しそうに笑っているけど。きっと何処かでは傷ついているはず。