「…お前余計なことしてくれたな」

「えぇ!!だって私は、瞬介君を助けようと思って!!」

「それが余計なことなんだよ、あんな奴一発殴っときゃ何とかなったんだよ」

「そ、それは駄目だよ!人を殴るなんて」

人を殴るなんて駄目だよ!瞬介君は、そんな事しちゃいけない。

「……悪い、今のは冗談」

「へ?」

「冗談だよ、分かったか?俺が人なんて殴る訳ないだろ。殴った事なんてないし」

瞬介君は、そう言うと私から視線を逸らした。

「そ、そうだよね!」

安心する私だけど、瞬介君の姿には何処か違和感を覚えた。

学校の近くに来たところで、周りの生徒の目線がこちらに集中していた。

「嘘!あの二人が」

「超ーお似合いじゃん!!」

「俺の千花ちゃんが!」

予想していたとおり、周りの目線が痛い。でも、瞬介君はそんなのお構いなしに進んでいく。