「あ、紅城k……」

いつものように、君付けで呼びそうになったので堪える。

「ってあれ?君昨日俺とぶつかった」

紅城君は、今度瞬介君の方に顔を向ける。

瞬介君の痛い視線が、私に向けられてるのに気づく私は、目線で何とかしてとお願いのメッセージを送った。

「あ…はい。昨日は急いでたので、すみませんでした」

私のメッセージが伝わったのか、瞬介君は笑顔で答えた。

「お、おう!こちらこそ悪かったな。俺前向いて歩いてなかったからさ」

「こちらこそ、怪我とかしてませんか?」

凄い瞬介君、見事に私の真似をしてくれてるけど、私ってあんなタイプなの?

「……可愛い…」

「「へ?」」

紅城君の言葉で、私達は紅城君の顔を見る。

「やべぇ!噂では聞いてたてたけど、こんなに可愛いなんて思ってなかった」

突然頭を抱えて独り事のようにぶつぶつも言い始める紅城君。