「まさか、あの千花様が私(わたくし)にかばんを預けるだなんて、そんな事一度もなかったのに」

ないのかよ!!!

軽く心の中でつっこむ。

「き、今日は、ちょっと任せてみようかと」

何が今日はだよ…。何かこの家やりずれー!

「そうですか、それなら今後とも私がお持ち致します」

いや、多分今後は無くなると思う。

「お夕食の準備が整っておりますので、お姉様がお待ちです」

「わ、分かりました」

いよいよ、お姉さんの登場か。

そのお姉さんがいる所に案内された俺はまず始めに。

「た、ただいまお姉ちゃん」

顔を引きつらせながら言った。

「ん?お帰り千花。で、どうだった学校は、先生に怒られた?」

爪を整えながら聞かれても、答える気がうせる。

確かこいつ、朝遅刻して来たんだよな?