三日で始まる恋

病院を出た帰り道。

「お前ってスゲーな」

「え?何が?」

身長差はあまり無いけど、私は瞬介君を見下ろした。

「だって、病院に着いた瞬間に直ぐに医師の所に運ばれて治療。他の患者をぬかして」

何か、嫌味みたいに聞こえて腹が立った。

「そんな事言わないで!そんな事言うなんて酷いよ!」

「うるせぇなぁ!怒ることないだろ!!」

逆ギレされて怒られる。

「だって……」

だって、あの病院はお父さんの病院だもん。娘である私は、あの病院に行くたびに再優先に医師に見られる。もちろん、お姉ちゃんもそうだけど。

涙ぐむ私を見た瞬介君は、急いでハンカチを取り出した。

「な、泣くなって!俺の言い方が悪かったよ」

「ごめん、私泣き虫だから」

「おいおい」

呆れたようにため息を点く瞬介君。