ねえ、……あの子、絶対いたよね?
でも、佳奈子さんが来たら……いなかった!!
これってどういうことなの?
「あ、あ、熱っぽいかな……。ちょっとクラクラしてきた……」
何だかこれ以上突っ込んじゃいけないような気がして。
「ちょっと寝るから。ご飯のときに起こして」
驚いた様子の佳奈子さんを背に、慌てて立ち上がるとリビングを出た。
私、頭、どうかしちゃったの??
幻覚を見てる……とか??
まさか、―――――。
私だけに見えてるとか??
そんなわけないじゃない。
ああ、もしかして本当に熱があるのかもしれない。
頭が混乱したまま、部屋のドアを勢いよく開ける。
「え??」
男の子はいた。
ベッドにきちんと正座して。
「……何で??」
瞬間移動……
なんてするわけ、ないよね??
『おねえちゃん』
「な……に?」
『ぼくはイクラだよ。5さい。おねえちゃんはなんていうの?』
は、―――?? 名前??
『おねえちゃんはなんていうの??』
「あ、―― み、美琴。美琴っていうの」
『へえ、みこと、かー。ふんふん』
いやいや、そんな納得されても……。
「あの、どうして……ここに?」
「だってー。みことがみえるっていうからじゃんっ」
―――――!!

