瞬と登校するのも久々に会話したのもうれしかったその日。

その日はうれしいことだらけだった。

_けれど。

今はドン底に落とされた気分だ。

長年好きな人が私の友達と付き合うんだもん。

そりゃあ、誰だってそういう気分になるよ。

夢だと思いたいのに、
夢だと信じたいのに、

全然夢じゃないって分かる。

だって、ほっぺたつねっても全然覚めないんだもん。

こんなの、辛すぎるよ…。



愛花ちゃんは私が黙っていたのが分かったのか。

「菜穂ちゃん?…どうしたの?顔真っ青だよ?保健室行く?」

そう言って、心配してきた。

普通だったら嬉しい言葉だが、今は私の心を更に痛くさせるのに十分だった。

こんな優しくてかわいいなら私に勝ち目なんてないよ…。

「大丈夫、大丈夫っ!!もう元気になった。心配してくれてありがとっ!!」