グイグイと吉岡の背中を押して足を進めさせる。
「あっ、はいはい」
映画館に着いてなんの迷いもなく、前に言ってたファンタジー映画のチケットを買いに向かう。
ほんとにこれだったんだ。
「あっ、映画のお供、買わなくちゃ」
映画の時はいつも必ず買うキャラメルポップコーンと、ジュースを手に放映される三番シアターへ。
「倉野、キャラメルポップコーン好きなの?」
「好き、」
好きだからっていうより、千暁が好きだからいつも買う……って……
今千暁の話をするのはさすがにダメか。
「そうなんだ」
「吉岡も食べていいよ」
千暁みたいに半分以上食べるタイプじゃないだろうし。
「実は俺、甘いの苦手なんだよね」
「あっ、じゃあこれ、匂いすごいよね!?ごめんっ」

