-----やっぱ今日、日中に富野さんが来て勝手にあのワンピ、クリーニングに出しちゃったのかな……?


なんとなく腑に落ちない気持ちだったけど、それ以外に考えられる可能性なんてない。

肌が粟立つような奇妙な違和感を感じたけれど。あたしはそれを無視してリビングに続くドアのノブを捻った。


後から思えば、このときあたしは悪い予感に気付いていながらもそれを見過ごしていたのだ。……自分にとって不都合な現実を、直視する勇気がないから。


-----今日いろいろあったし、たぶん疲れてんだ。なんかあったかいものでも飲もう。


そう思いながらリビングのドアを開けて足を踏み入れた。その途端。

無人のはずのリビングに人がいるのが見えて、悲鳴を上げそうになった。


相手の顔を見て、かろうじてあたしは悲鳴を飲み込む。