けども、あの男の子は現れなかった。 わたしはずっと病んだ気持ちを抱えながら、どんどん膨らむ思いを持て余し苦しんでいた。 お兄ちゃんからプロポーズの話を聴いた夜、咲子さんの写真を無意識のうちに切り刻んだ末に燃やし、それを綺麗と微笑んで見たと気付いた時。 わたしは自分が恐ろしくなった。 いやだ、イヤだ! 嫌だ!! ――苦しい。 お兄ちゃんが愛しくて咲子さんが憎い。 この想いはどうしたらいいの? わたしは気が触れたように相良先生に取りすがって叫んだ。