愛なんてない




俺は葵を護れなかった。


永遠にとも誓ったのに、その誓約を自分から裏切ったんだ。





――葵が産んだ子さえ引き離された。


俺は幸せになれるはずもない。


親から見捨てられた俺には、最初から叶わぬ願いだったのかもしれないな。


何度幸せになりたいと願っても、いつも大切なものは手のひらをすり抜けてゆく。


泡沫の儚さだ。


葵にも触れてはいけなかったのだろうか。


葵の妹の弥生は、姉は幸せだったと言ってくれるが。そんなのは気休めだ。