パラパラと降り砕け散った大きい雨粒。 あいつの涙を連想させるそれを見ながら、俺は左手で助手席にある箱の感触を確かめた。 まったく、これのためにずいぶん時間が掛かるもんだ。 以前には時間も金もなかったから、イミテーションだったが……。 それでも幸せそうに微笑んでくれた、最愛の。 ズキンと胸が痛む。 葵――。 俺と付き合わねば、葵はまだ幸せに生きていたろうか?