愛なんてない




でも、わたしは京にとってなんでもないんだから……とわたしは自分に立場を弁えなさいと言い聞かせた。


浮き立ったりしちゃだめ。


京の示す親切はきっと生徒として。そして、きっとわたしへの同情も入ってる。


だから、自惚れたりしたくない。


わたしは自分がどんなにつまらない人間か分かってるから。


今まで家族以外に個人として愛された記憶なんかない。

もちろんカレシなんかいなかったし、恋はお兄ちゃんしかしなかった。


こんなわたしが誰かを惹きつけるなんて想像も出来ない。