そんな危機感が散ったのは一瞬の事。
追い掛けて来る男を確認するために、振り返ったほんの一瞬。
–––––––バコッ!!
鈍い音ともに視界が傾いた。
なっ、何が起こったの…?
倒れつつもなんとか手を動かし、熱を感じる額に触れた。
「何…これ……」
咄嗟に指を見ると暗い倉庫の中でも見えるほどの血。
あたし……血出てるの…?
殴られたのは初めじゃないよ……。
高校入って最初の頃は、女子に散々殴られたり蹴られたりしてたし。
でも、これはヤバイ気がする。
くらくらと視界が揺らぎ、意識がどんどん薄れてゆく………
ヤダ……嘘でしょ…
「想乃ちゃん。ごめんね?少しの間眠ってて?」
「…なんで…っ……こんな事…」
「ふっ…元々は乗り込んで来た君が悪いんだからね。おやすみ……」
途切れ途切れに聞こえた大嫌いな浜崎裕太の声。
頭の中でガンガン響いて消えていく。
もう……ダメ、かも………。
あたしただの自分勝手じゃん…。
駆琉のこと守りたい、助けてあげたいと思ってても何も出来なかった。
駆琉…ごめんね…。

