私の目には涙が溢れる。
瞬きしたら落ちそう。
「 だから、別れる。今までありがとう 」
葵は、この言葉が欲しかったんだよね。
好きな人のためにできること。
それは、別れだ。
「 ……里愛。ありがとう……ごめん 」
葵は悲しそうな顔をした。
違う。その顔を見たいんじゃない。
「 ……幸せになってね。大城先輩と。じゃないと許さないから 」
「 ……っ、うん 」
私がそう言うと葵は笑った。
そう、この顔が好きなんだ。葵の。
出会った頃、保健室で私に見せてくれたこの顔が。
「 バイバイ 」
「 じゃあな 」
だから私も笑った。
一番好きだった人との最後はいい思い出にしたい。
私のとこから去ってく葵を見て私は心から叫びたかった。
ここが学校じゃなければ、叫んでただろう。
さよなら、大好きだった人。
葵の中に少しでも私の思い出があるのならそれでいい。
「 ……新しい恋、しよ 」
私はゴシッと涙を拭いて空を見上げた。
Ray 番外編① 「 葵と里愛 」 完



