予想外としか言いようがない。 な、何故に私を家に? 「ムース作ったんだ。是非、あやちゃんに食べてほしくて」 単に試食をしてほしいだけか。 うーん、でも……。 「ごめんね、松井くん。予定があるから……」 私には旦那さんがいるわけだし、いくら友達でも気安く男の子の家に行くのは……。 「その予定、そんな大事なの?」 「え……」 「少しくらい、俺に時間をくれてもいいんじゃない?」 さっきまで優しかった松井くんの口調は、ややキツめになった。