「もう本当に痛みがすごくて死ぬかと思いました……」
「んふふ。大袈裟だなぁ」
いつの間にか話題が歯の事になってた。
これも一種の職業病?
「でもさ、何でうちの医院を選んでくれたの?」
今の世の中、うちよりもっと新しい技術を取り入れてる医院はあるはず。
「友達が教えてくれて。すごく優しくて、カッコイイ先生がいるって……」
なるほど~。
確かに純も翔太くんもカッコイイもんなぁ。
「ごめんね。担当したのが枯れたおっさんで」
「い、いえ!!とんでもないですよっ!!大橋先生でよかったです」
少し身を乗り出して夏依ちゃんは大きめの声でそう言った。

