「智也、いつまでそこでそうしてるの?早く片付けて。もうすぐ診察時間が終わるよ?」
我に返ったのは、翔太くんにそう言われてだった。
時計を見てみると、もう少しで診療時間が終ろうとしてた。
いつの間にこんな時間に。
とりあえずボーっとしながら使った器具を片付けた。
ロッカールームに行くと純と翔太くんが楽しそうに談笑してた。
「あ、お疲れ。智也」
「お疲れさーん」
「……お疲れ様」
ここで純がすかさず「何かあった?」と聞いてきた。
「ちょっと、ね……」
「そういや今日あやちゃん来てなかったな。来るはずだったんでしょ?」
そうなんだけどさ……。

