「あの、松井くん……」 この匂いの正体は何なのか、聞こうとしたら、 「おい、あんた」 日向くんに遮られた。 「いっつもあやに馴れ馴れしくして、何様のつもり?」 キツイ口調でそう言って、日向くんが私をガードする形で私の前に立った。 松井くんはしばらくジッと日向くんを見つめた後、私の方を見て……。 「この子、彼氏?」 怒ったような声でそう聞いてきた。 「ちっ、違うよ…!」 もちろん、首を振って否定。