「先生っ……」 夏依ちゃんは急に顔を上げた。 目には涙が溜まってる。 頬は真っ赤。 「夏依ちゃん……わっ…!!」 夏依ちゃんはいきなり診察台を下りて、抱きついてきた。 その拍子にタオルを落とした。 しっかり背中に回された華奢な腕。 胸に顔を沈められて、どうする事もできない。 あれ、ドクンドクンって聞こえる。 鼓動の音だ……。 僕じゃない。この鼓動の正体は、夏依ちゃんだ。