「はい。今日はこれで終わり」 何事もなく無事に治療を終えた。 治療は集中してやったが、あやちゃんの事が頭から離れないまま。 「ありがとうございました……」 「うん。痛みはなかった?」 「はい…。大丈夫、でした。先生…上手だから」 「ありがとう」 夏依ちゃんは普通に良い子だと思う。 ただね? 「夏依ちゃん、あの事はもう人前では一切言ったらダメだよ?」 「……あの事?」 「キスの事……」 自分で言って、変な気分になった。 あやちゃん以外の子とキスした、なんて。認めたくない。