「夏依ちゃん、この子が例の僕の愛しい人だよ~」 智也さんは私を抱き寄せた。 一瞬、夏依ちゃんが悲しそうな顔をした。 「そ、そっか…。この子が……」 「瀬川あやです……」 「初めまして……」 ぎこちないあいさつ。 「買い物に出たら偶然夏依ちゃんに会っちゃって。そんで一緒に行く事にしたの。今日は予約の日だからね」 智也さんが笑顔を向けたら夏依ちゃんは照れくさそうに「はい」と言った。 やっぱり、そうなんだ……。 夏依ちゃんを見てると気持ちは一目瞭然。 「あやちゃん。行こう?」 「あ、はい」