「それならいいけど……やっぱ消毒液の匂い、嫌だよね?」 潤んだ目。 微かに傾げた首。 今年で36になる人とは思えない。 「消毒液も、智也さんの匂いだと思えば、結構好きですよ」 「本当?」 「はい」 笑顔で返事をすると、智也さんは「大好き~」と言って私の頭をクシャクシャと撫でた。 「もう、髪の毛がグチャグチャ」 「乱れてても十分可愛い」 「……智也さん…」 急にまた、甘えたくなった。 「キス、して……?」