テンションが下がった?と思いつつ、言葉を続けた。 「甘い、とろけるような香りで……思わず引きつけられちゃって」 そこまで言って、言葉を飲み込んだ。 ぎゅぅぅっと背中に回ってる智也さんの腕の力が強くなった。 表情も、穏やかじゃない。 「好きになったの?」 「え?」 「その甘い香りの転入生くんの事、好きになったの?」 珍しく不機嫌。 おまけにしゃべり方に、いつもの穏やかさと余裕がない。 「それはないですよ。好きなのは、智也さんだけ。他の男性は眼中にないです」 チュッと、頬にキスをした。