「んっ…智也さん…苦しいですっ……」 「あ、ごめん……」 名残惜しい気持ちを堪え、あやちゃんを離した。 「……」 「……」 謎の沈黙。 会いたかったけど、こうして会うと……気まずいかも。 「あ、あの…つ、月が綺麗だねっ…!」 話題を持ち出したけど。 あいにく雲に隠れて月は出てない。 「え、えっと……」 せっかく会えたのに、気まずいままはダメだぁ。 何か会話会話……。 「智也さんっ……!!」 遠慮がちに、服の裾が握られた。