大丈夫なわけない。 歯は痛くて。 智也さんとは会ってもない、連絡も取ってない。 こんな不安な状況で、全然…大丈夫じゃない…。 「あや」 お兄ちゃんの手が伸びてきて、抱き寄せられた。 トントン、と背中を一定のリズムで軽く叩いてきた。 自然と安心してきて…何かの糸が切れたみたいで……。 「っ…お兄ちゃんっ……」 お兄ちゃんの胸に顔を沈めて泣いた。 「会いたいっ……。智也さんに、会いたいよっ……。仲直り、したいっ……」 自分のストレートな気持ちが、次々と口から漏れた。