「あや!こんな時間までどこ行ってたの!」 家に帰ったら既に帰宅してたお兄ちゃんに怒られた。 今日はお早いお帰りのよう。 「…うん…。ちょっと、ね……」 玄関で靴を脱ぎながら、ぎこちなく答えた。 「…あや、歯…大丈夫?」 「…うん…。まだ、我慢できる……」 我慢できる程度の痛み。 だから大丈夫だ、と勝手に自分に言い聞かせた。 「でも…大丈夫じゃないよね……?」 コクン、と頷いた。