「で、保健室行く?」 「…うん。行きます……」 壁に手をついて、立ち上がろうとしたけど、フラッときて、またその場に座り込んだ。 やっぱ、吐き気がしてもご飯はちゃんと食べなきゃ。 「ったく。仕方ないな」 ため息と同時に、体が持ち上げられた。 「ちょっ…ちょっと……」 ついさっき知り合ったばっかの子に、お姫様抱っこされた。 「保健室まで運ぶから、ジッとしてて」 そう言って彼は歩き出した。 廊下ですれ違う人達は皆、私達を見ると「キャー」とか「いいな~」と甘い声を上げてた。