「そう」と呟いて、彼は私の前にしゃがんで、スッと、手を差し出してきた。 「保健室、行く?」 え……。この手、握れって事……? あれ…ってか、この人……。 「甘い……」 どういうわけか、この人からは甘い匂いがした。 甘い香りに少しとろけそうになった。 「……ちょっと、近いって…」 「え…あっ!!ご、ごめんなさいっ……」 甘い香りに誘われて、つい彼に顔を近づけてた。 もちろん慌てて離れた。