「夏依ちゃん、口の中を少しだけ診ても大丈夫かなぁ?」 隣に座る夏依ちゃんの顔を覗き込みながらゆっくり問いかけた。 「せ、先生、は……」 「なぁに?」 「強引に…治療、したり…しません、か…?」 怯えながら言う夏依ちゃんの目を見て、小さく微笑んだ。 「絶対しない。無理強い治療は、うちでは何があってもしないから。強引に進めたりしない。夏依ちゃんのペースで、ゆっくりでいいよ~」 多分、歯医者さんでいろいろトラウマになってるんだろうなぁ。 陽菜ちゃんと同じタイプかな。