怒ってる。
拗ねてるとか、そんなんじゃない。
本気で……怒ってる。
怒らせた、私が。
「あ、あの……」
「買出しの帰り、偶然……あやちゃんを見かけたの。でも、あの子と一緒だった……」
唇を噛み締めて、智也さんは苦しそうに表情を歪めた。
「人気のない場所に行くのが見えて、慌てて後を追ってきたら……2人が…」
「だからっ……」
それは、誤解なんです。
私はキスなんかしたくなかった。
「だいたい、あやちゃんが隙ばっか見せるから!しかもまた、あの子と絡んでるし……」
「…だから、彼方が勝手に……」
あぁ、もう。
泣きそう……。

