「さっ、帰ろう」 私の隣に来て、彼方は手をさり気なく握った。 「ちょっと……!」 アタフタする私に構わず、彼方は歩き出した。 手、振り解けない……。 「あの……私には、彼氏が……」 「……あぁ、あのおっさんでしょ?あやには不釣合いだよ」 キッパリ言われ、心がズーンと沈んだ。 「あの人、童顔だけど年いってる…よね?援助交際してるみたいに見えるから、別れた方がいいと思うよ」 グサグサと。 容赦ない言葉が矢のように放たれ、突き刺さる。