「とにかく絡まれても無視して!!」
「……」
智也さん、彼方の事かなり嫌ってる?
敵対心が丸出し……。
「あやちゃんが男の子に絡まれるなんて……考えただけでもイライラしちゃう」
「智也さん……」
「僕以外には、触らせちゃダメ。わかった?」
私は小さく笑って「はい」と答えた。
「あ、そうだ。お腹、触っていい?」
「はい、どうぞ」
智也さんは私の隣に移動して、お腹にそっと手の平を置いた。
「うーん、少し大きくなった?」
「はい。少し…。今度、産婦人科に行くの、付き添ってもらえません?」
「もちろん」
妊娠の事、思い切って彼方に言っちゃおう。
それすれば、絡んでこなくなるはず……。

