「学校で、何かあったの……?」 首を傾げ、心配そうに見つめる姿は愛嬌のある子犬のよう。 「聞いてくださいよ~」 「なぁに?何でも聞くよ~」 「彼方ってば、酷いんです!!私を勝手に盗撮したんですよ」 「……彼方?」 あ……。 しまった、と後悔したけど、もう後の祭り。 サーっと血の気が引いた。 「また、松井くんと……絡んだの?しかも、盗撮までされたの?」 「えっと……」 はわわ!! 温厚な智也さんが不機嫌になっちゃった!? 自分を落ち着けようと、グラスのリンゴジュースを一気に飲み干した。