球技大会当日の朝、康平はバスケに出るメンバー全員と、教室の黒板の前にいた。

「開会式の後、クジ引きが終わったらすぐ試合が始まるんだけど、第一試合かも知れないから今ミーティングをするね」

 球技大会にも拘わらず、ケーキバイキングを懸けて今まで練習してきたせいか、フザケている者は一人もいない。全員が麗奈の話を聞いていた。

「今日の試合は、前半と後半で試合だからね。前半は私と中澤、小谷……」

 麗奈は前半と後半に出場するメンバーを発表していった。

 バスケの試合は通常第四クォーターまであるが、球技大会では時間と場所の都合から、前半と後半十五分ずつにして分けている。

 康平は、亜樹と一緒で後半試合に出る予定である。男子のエース格である長瀬も後半の出場だ。後半メンバーは男子二人と女子三人の編成であり、練習に参加出来なかった康平も入っている事から、バランスを考えての人選である。


 麗奈はこの後、黒板に簡単なコートの図を描いてメンバーのポジションを確認した。

 康平はオフェンスの際、右サイド側からのロングシュートをする役であり、ディフェンスの際は右前方を守るようである。