後ろ手に手を振り、帰って行く女を見ながら俺は思った。



アイツは何だったんだと…。



俺は今日、姉唯子のお見合いに出席させられていた。



勿論、唯子本人として_。



唯子とは双子でもなく年も3歳離れた姉弟。



成長期真っ盛りの俺だが、身長や体重もあまり唯子とは変わらない。



そこに目を付けられ、唯子の独断的都合により事ある毎に俺は”唯子”を演らされているのだ。