……本当は、皆。
泣きたいんだと思う。
でも、泣かないで我慢している。
でも、泣いちゃった僕はずるい子だ。
その後は、新太が全部説明してくれた。
でも、実感しないみたい。
そうだと思う。
だって、咲良は“記憶喪失”なんだから。
記憶を失っていて、実感しろ。
だなんて言っちゃ駄目だよ。
咲良は、僕に謝った。
「どうして謝るの?」
そう聞いたら、
「人に忘れられるって悲しいでしょ?それで泣いたのかな……って。」
心配そうに見つめてくる咲良。
僕は、クスっ、と笑う。
「大丈夫!僕、強いから!気にしてくれてありがとう!」
口角をおもいっきり上げる。
「ちょっと、トイレに行ってくるね!ごめん!」
そう言って、トイレとは逆方向の自分の部屋へ行く。
……嘘つき。
強い、なんて嘘だよ。
本当は、凄く弱くて。
涙が、止まらないんだ。

