*咲良side*
あの、蒸し暑さも無くなり涼しい季節になった。
監禁が終わって、2週間。
あれから、何事も無かったように時間は過ぎていった。
お父さんや、お母さんは。
懲役6年と言う長く、短い罰を与えられた。
“必ず、戻る”
と、言う言葉を残して──────。
「咲良。」
優しい声色に、ハッとする。
「どうしたの?大雅………。」
ガタン、ゴトンと電車が揺れる度に私達も揺れる。
「…いや、咲良がボーっとしていたから…。
大丈夫………?」
心配そうに眉を下げる大雅。
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