え……ちょっと待って……。
私……大雅のお母さんなんて知らない……。
……記憶が戻ってきてる……?
『大雅くん、いくよーっ!』
私が投げた水色のボールは大雅を目掛けて転がる。
『とーれたっ!咲良ちゃ……あっ!』
小さな紅葉の様な手はボールを取って、投げようとする。
だけど、ボールが手から滑り落ちた。
『ボールさん、まてー!』
そのボールは、止まることを知らない。
ついには、道路に出てしまう。
大雅は、無邪気にボールを追いかける。
「だ、駄目!」
声に出すが、ずっと走る大雅。
『大雅!?』
大雅のお母さんは、必死で大雅を追いかけた。
『大雅くんっ、行っちゃだめ!』

