*大翔side*

コンコンコン。

咲良の部屋のドアを桃がノックした。

「はい……。」

小さく可愛らしい声。

その声を聞くだけで、咲良が愛しく思う。

桃は、ゆっくりとドアを開けた。

その手は、震えていて。

あぁ、こいつも怖ぇんだな。

って思う。

俺たちは、咲良の部屋に入る。

「咲良……?」

桃は、遠慮ぎみに咲良の名前を呼ぶ。

「あ、桃くんと大翔くん。」

ふわり、

まるで、花が咲いた時の様な可愛らしい笑顔。

だけど、どこか落ち着いていて。