私は、言葉に詰まった。 ≪衵、≫ 本当は、二雲が何を言いたいのかわかっていて。 それでいて私は、都世知歩さんと暮らしていることを家族に言わずにいるように、また、逃げよう、逃げようと、していて。 さっき、『バカ』って。 都世知歩さん、私に言っていた。 その通りだ。 「…………ぁ」 ――――淡くて。 苦くて。 この気持ちを、知っている。 誰に呼ばれる名前が、一番、この気持ちを、知らせた? 誰に呼ばれる名前が、一番、“ ”だった――?