『ここ、どこだろう…』
闇雲に走った私は、迷子になっていた。
あ…
ふと、気付いた事がある。
『荷物が――――ない…。』
財布も鞄の中だ。
きっと、あの時だ。達也の玄関だ。
でも、今さら戻れない…。しかも、迷子だし。
どうやらここは住宅街のようで、店などない。
彷徨って歩いていると小さな公園を見つけた。仕方がないので公園のベンチに座る事にした。
これからどうしよう。
私には、頼れる親戚すらいない。
親もいない、友達もいない。
―――1人ぼっちだ
考え込んでいたので、背後に忍び寄る影には気づかなかったんだ。
バチッと首筋に痛みを感じ、その直後、意識を手放した

