それでもキミをあきらめない




『今日からこいつの名前は小塚ブスになりました』 
 

外でわたしが友達と遊んでいるときに、翔馬はそう宣言した。
 
家でも親に注意されながら、わたしをブスと呼ぶことをやめなかった。
 

たったそれだけのこと。
 

だけど、それだけのことでも、実の兄に3年間もブスと呼ばれ続ければ、まわりも面白がってそう呼ぶようになる。
 

飽きもせず女子をいじめていた男子たちが、わたしを標的にして、

兄の存在を恐れた友達たちはわたしから離れていった。
 

そうやって、すこしずつ、わたしはひとりになったのだ。