「やっぱり、罰ゲームだったんだ」
 

だって高槻くんはひと言もしゃべらなかった。
 
わざわざうちを調べて迎えに来て、一緒に登校して、付き合ってるフリして。
 
それもこれも全部、ああやって、わたしを笑いモノにするためにしたことなんだ。
 

こみ上げそうになった涙をこらえる。
 
下唇を噛んで、止まっていた足を踏み出した。


「ゆるせ、ない」
 

ずっと後ろから、まだ笑い声が聞こえてくる。
 


耳を塞いで、わたしは走り出した。