きのう告白されて、でも罰ゲームで、それなのに今朝は迎えに来て。
高槻くんが何を考えているのか分からないから、わたしもどう接すればいいのか分からない。
駅から学校までの一本道には、沿道にイチョウの木がならんでいる。
秋が深まれば色が変わるそれも、いまはまだ緑の葉を揺らしている。
9月に入ってもセミの声はやまない。
耳に張りつく鳴き声で暑さが倍増しそうだけど、わたしと彼のあいだの沈黙を埋めてくれるのはありがたい。
――なにあれ。
――どういうこと?
――なんで高槻くんが地味ブスと登校してきてんの?
大量の視線と、ひそひそ声の攻撃を受けて、自分がどんどん小さくなっていく。
逃げ出したい。


