「……心配だ」 「え」 歩き出しながら、彼は悩ましげに首を振る。 「俺は心労でハゲるかもしれない」 「ええ!?」 「いや、冗談だけど」 「あ、じょ……じょうだん」 あまりにもさらりと言うから、びっくりしてしまった。 わたしの驚きぶりに苦笑して、高槻くんは握った手に力をこめる。 「まあ、どんな強敵が現れようが、俺は絶対、あきらめないから」