わたしが頭に思い描いていたことを言い当てるように、高槻くんは口にした。
「あの場所で、星と飛行機を」
言いかけて、思い出したように苦い顔をする。
「……でも、違う星が出てきたら困るな」
きっと星野彗のことだ。
頬を歪めて心底嫌そうに言うから、わたしはつい笑ってしまった。
裸の枝を広げたイチョウ並木に見下ろされて、高槻くんはふと足を止める。
「もう、化粧なんてしなくても……」
わたしをじっと見下ろして、言葉を切る。
高槻くんは心配してるんだ。
星野彗が、わたしをあきらめないんじゃないかと。
「大丈夫だよ」
学年のアイドル男子は、きっともう、ちゃんと分かってる。


