それでもキミをあきらめない




「小塚の兄貴に、全部聞いた」


真正面から、わたしの顔を覗き込んで、高槻くんは苦しそうに首を振る。


「小塚は悪くない」


きっとこの公園で、翔馬と高槻くんはすべてを話し合ったのだ。


あの告白が、罰ゲームではなかったことを。

ふたりが、何年も前に加害者であり、被害者であったことを。


お互いの、兄としての気持ちを。


だから、翔馬も、わたしにあんな話をして、復讐をやめろって言ったんだ……。


「小塚は悪くない。俺がしつこいからいけないんだ」


悪かった、と言って、高槻くんは眉根をよせる。