「……ありえない、ことを、実行」 おもわず口にしていた。 罰ゲームだ。 高槻くんが罰ゲームに選んだのは、プールだった。 ――わたしじゃなかった。 「ご、ごめ」 すべてを知ったとたん、自分がやったことが、自分に返ってくる。 喉がつぶれそうだ。 わたしは、何も悪くない高槻くんを、どれだけ傷つけたんだろう。 「ごめんなさ」 「いいよ。もう、全部わかってる」 ぐっと頬に当てられた手に力が入って、わたしは上を向かされた。