それでもキミをあきらめない




少年だった高槻くんの心に芽生えた気持ちは、日向のヒマワリみたいに、

太陽に向かってぐんぐん伸びた。


「少しずつ親の手伝いして、弟の面倒みるようになったら、びっくりするくらい気持ちが楽になって」


両親に褒められて、前向きな気持ちで弟を可愛がるようになったら、

驚いたことに、学校でも友達ができた。


高槻くんは誰もいない午後の公園を眺めながら、まるで昔話をするみたいに話し続ける。


「明るい顔をするようになったからか、話しかけてくれるヤツができてさ。

下ばっか向いてた学校で、顔を上げるようになったら、違うクラスに小塚がいることに気づいた」


急に目が合って、心臓が音を立てる。